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2014年 つゆくさブログ

駐車場増設及び年末年始のお知らせ

駐車場を2台増設しました。

当院にはもともと駐車場を10台完備していました。

予約制で診療を行っていますので、これで十分と思っていましたが、たまに駐車場が満員でご迷惑をおかけしている事が発覚しました。

お隣の駐車場が2台借りれることになりましたので、駐車場を2台増設して、駐車場は12台完備となりました。

これで、お車の方も安心して通っていただけると思います。

なお、新しく増設した駐車場は当院の隣の、当院側の2台の駐車場です。

それ以外の駐車場は当院とは関係ない駐車場ですので、絶対にお止めにならないようにお願いします。

続けて年末年始の診療のご案内です。

今年度(2014年)は12月27日土曜日の午前中まで診療です。

来年度(2015年)は1月5日月曜日より診療開始です。

ちなみに、明日の午後は名古屋市南歯科医療センターにて休日歯科診療当番です。

名古屋市緑区歯科医師会に入会して初めての休日当番、初めてのことは何だかドキドキします(笑)。

名古屋市緑区の歯医者としてしっかりとお役目を務めてきます。

タバコと歯周病

今日はタバコと歯周病の関係についてお話します。

結論から申し上げますと、タバコと歯周病は大いに関係があり、喫煙者は非喫煙者に比べて3倍以上も歯周病になるリスクが高く、かつ歯周病治療をしたとしても治る効果が半減してしまいます。

喫煙者の皆さん、がっかりされたと思います。

年々喫煙者の方にとっては風当たりが強くなっているこの世の中のように思います。

昔は電車の中でも普通に灰皿が置いてあったものですが、今では喫煙所が設置されるもののほとんどが禁煙車です。

タバコも年々値上がりしています。

病気になって医者に行っても禁煙を勧められ、歯医者に行ってもやっぱり禁煙を勧められるといった始末です。

そんな向かい風もあり、H9年の男性喫煙率は52.7%だったのが、H18年国民健康・栄養調査では男性喫煙率は39.9%にまで下がりました。

しかし、これでも依然として先進国の中では高い喫煙率にとどまっているというのが現状のようです。

さて、喫煙の何が歯周病にとって問題でしょうか?

いろいろ言われていますが、一番問題なのはニコチンによる血行不良でしょう。

歯茎が赤色をしているのは、歯茎にたくさんの血液が流れているからなのですが、タバコを吸うと、その歯茎の血液の量が減ってしまいます。

よって、喫煙者の歯茎を見るととても特徴的なポイントがあります。

  • 歯茎が暗赤色している
  • 歯茎が少し分厚くなり、ロール状になっている
  • 色素沈着している
  • 歯周病になっても出血しにくい

達が悪いのはこの4番です。

歯周病を発見するポイントとして、歯茎からの出血というものがありますが、喫煙者の方は、歯周病になっていても出血することが少なく、気づきにくいという問題があるのです。

よって、かなり悪化してからでないと自覚しないため、歯医者に来る時期が遅くなり、手遅れになりやすいことが多いのです。

ですから、喫煙者の方こそ、何も異常を感じなくとも定期的に歯医者で検診を受けられた方がいいと思います。

そして、できれば少しずつタバコの量を減らし、いつかは禁煙をされることをお勧めします。

タバコを吸う量によってもリスクが変わります。

1日に9本以下の喫煙者の場合はリスクが非禁煙者に比べて2.79倍ですが、1日に31本以上の喫煙者の場合は5.88倍に跳ね上がります。

ちなみに、受動喫煙にさらされている人は、歯周病のリスクが1.6倍となります。

私の父もかなりのヘビースモーカーでして、幼いころから受動喫煙にさらされ続けました。

そのためか、喫煙したことないのに、私の歯茎は喫煙者によく見られるメラニン色素の沈着が見られます。

そんな父も、2年半前に舌癌になり(第一発見者はなんと私・・)、放射線治療で舌を焼き、食事が満足にとれないようになりました。

それでも、頑固な父は喫煙をやめず、今度は肺と肝臓に癌が出来て、やっと最近になって禁煙外来に通うようになりました。

歯周病にしろ、癌にしろ、タバコがかなりのリスクファクターになっていることは間違いありません。

いつまでも楽しい人生を過ごすためにも、少しずつ禁煙をされることをお勧めします。

※写真はタバコと全然関係ありませんが、10月末に即興で歯周病セミナーをした時のものです。意外に好評でした(笑)。

歯を磨かないとすべての人が歯周病になるのか

こんにちは、すっかりと涼しくなりましたね。

芸術の秋、読書の秋、スポーツの秋、そして何より、食欲の秋。

食事が楽しめるよう頑張って口の中をケアしていきましょう。

さて、今日はある歯周病についてよく聞かれる疑問について、ある論文をもってお答えしていきたいと思います。

その疑問とは、成人の8~9割が歯周病になると言われているけど、歯を磨かなくても歯周病にならない人なんているの?

歯周病になると全ての人が重症になっていくの?

というものです。

この疑問にお答えできる論文は、1986年にJCPという雑誌に掲載された「Natural history of periodontal disease in man(歯周病の自然史)」で、

歯を磨く習慣のない、また歯を治療した経験もないスリランカの紅茶農園の労働者480人を未治療のまま15年間定期的に検査し、歯周病の発生や進行がどのように起こるかを観察したものです。

具体的には、14歳から31歳の範囲で1970年から観察スタートし、1971、1973、1977,1982、1985年にそれぞれ検査をしました。

この検査に参加したスリランカの紅茶農園の労働者480人は、共通してプラーク(菌の塊)、歯石、汚れが均一に大きな凝集体として確認されたそうです(汗)。

そのような不衛生な状態だと全員が歯周病になるのではと思われるかもしれません。

しかし結果は、9割が歯周病となり、残りの1割はほとんど歯周病にはならなかったというものでした。

詳細には、8%が急速な歯周病の進行がみられ、81%が中程度の歯周病の進行がみられ、11%がほとんど歯周病の進行がみられなかったというものです。

口の中が汚れや歯石の塊だらけの状態でも、その状態を15年間放置したとしても、11%も歯周病にならなかった人がいたんです。

一方、8%は15歳でも歯周病になってしまったりと、歯周病の発症が早く、また、ものすごい勢いで歯周病が進行し、35歳で歯を平均12本失い、40歳で20本、45歳前に歯を全部失っていたという結果です。

この論文から言えるのは、歯周病の発症や進行は人によって違うこと、1割くらいはどんだけ歯を磨かなくても歯周病にならないかわりに、8%は若くして歯周病になったり、すごい勢いで進行したりする、また、歯を磨かないと9割くらいは歯周病になって歯をどんどん失ってしまう、ということです。

現代ではこんな調査は人道的にできないかもしれませんんが(歯周病が悪化しているのに放置しているので)、なかなか興味深い論文ですね。

読書の秋ということで、先日読んでみた論文のご紹介でした。

追伸

最近気づいたことですが、敷地の整備や看板、歯科材料、清掃、保険など、当院の関わっている方々は名古屋市緑区の業者さんがとても多いです。

自然とそうなったのですが、私自身も名古屋市緑区の生まれであることもあり、名古屋市緑区がさらに活性化されることを祈っております。

歯周病の歴史を学ぶ

先日、日本のスカンジナビア派ペリオのドン、岡本浩元教授(奥羽大学歯周病学講座)の話を聞きに行ってきました。

岡本先生は世界の歯周病学のトップのLindhe教授のもとで修業し、実際スウェーデンでも臨床や実験をされていた方です。

講義の中で、Lindhe教授の経緯の話がとても面白く、この場をかりてまとめていきたいと思います。

Lindhe先生はLund大学をトップ3の成績で卒業し、H.Bjorn教授に師事しました。

H.Bjorn教授はダブルライセンス(医科と歯科両方の免許)をもっており、元整形外科医の口腔外科医で、骨移植や歯肉移植の先駆者とされています。

Lindhe先生はH.Bjorn教授より歯周病学講座を大学に作る為に、Lindhe先生にアメリカで著名な歯周病学の教授のもとで留学するよう命令しました。

そして、まずLindhe先生はアメリカの著名な歯周病の教授達めぐりをしました。

まず、Glickman教授のもとで歯肉切除術を学び、その後、ボストン大学のGoldman教授のもとに行き、Flapおよび骨整形を学び、ニューヨーク大学でStahl教授のもとで歯肉掻爬術を学び、コロンビア大学のGottsegen教授のもとでノンサージェリーを学び、ミシェガン大学のRamfjord教授のもとでWMFを学びました。

これらのアメリカの著名な教授達は険悪な仲となっており、本来であればどこかに所属するとほかの教授の話は聞けないことがほとんどであったが、Lindhe先生は外国人だったことと、H.Bjorn教授の推薦があったため、それぞれの教授の手の内をしっかりと見ることができたとのことです。

Lindhe先生は、学ぶ先で全て異なる手法が用いられ、しかし同じように治癒していたことに大変驚いたそうです。

そこでLindhe先生が気づいたことは、プラークさえしっかりと除去できればどんな手法を用いようが生体は治ることに気がついたようです。

よって、Lindhe先生はプラークコントロールを中心とした歯周病治療が重要であり、その考えのもとスウェーデンのイエテボリで歯周病学の教授(当時最年少の32歳)となりました。

その後、Lindhe教授は若くして教授となったこともあり、画期的な人事を行い、ストックホルムの郊外で開業していたLindhe教授より19歳年上のNyman先生を助教授として迎え、歯周補綴や咬合性外傷の研究や、GTRやGBR、エムドゲインなど現在の歯周組織の再生療法のパイオニアとなりました。

また、イエテボリの解剖学のブローネマルク教授とインプラントの研究も行い、インプラントの影のパイオニアとしても活躍されたそうです。

以上

歯周病の教科書に出てくる超有名な先生達だけでなく、インプラントの開発したブローネマルク教授までもがLindhe教授と何かしら関係があったことはとても驚きでした。

Lindhe教授の帰納法的発想でプラークコントロールが歯周病治療の根源と導き出されたことは本当に凄いことだと思います。

教科書には載っていない歴史の話、とても面白かったです。

医療とは科学である!?

突然ですが、医療とは科学と思いますか?

この下を見る前にぜひ一度考えてみてください。

いきなり何を言い出したのか、この暑さで頭がおかしくなったのでは、と思われたかもしれません。

医療は当然科学でしょう!と思っている方も多いと思います。

はい、私も以前はそう思っていました。

そう信じて、とことん研鑽して歯科医療を全てマスターしてしまおう、なんて考えていました。

歯科医療を全てマスターしていれば、全ての患者さんを完全に治すことができてスーパードクターになれる、そう本気で考えていました。

しかし、

歯周病科の大学院に入学して研究をすることで、それは間違えだったことに気づかされました。

私の大学院の研究のテーマは、歯周病になってしまうのはBリンパ球という免疫細胞が関係していのか?というものです。

ん?

全国の歯医者で日常的に歯周病治療が行われているのに、未だになぜ歯周病になるのかが完全には分かっていないのです。

しかも、歯周病の原因は歯周病菌である、と言われていますが、その歯周病菌も完全には特定されていないのが現状です。

もちろん、全くわかっていないわけではなく、何種類かの菌はそうだろうという論文は発表されています。

しかし、それらの菌がいたら必ず歯周病になる、という証明はいまだなされていないのが現状です。

科学とは再現性のある事と定義した場合、歯周病学というのは科学であると言い切ることは決してできないはずです。

歯周病学だけでなく、他の歯科の分野でも、はたまた医学の世界でも同じことです。

もし医学が科学であるとしたら、全ての病気は絶対に治るはずであり、全ての人は天寿を全うできるはずです。

でも、現状はどうでしょうか?

成人病や癌だけでなく、原因不明の病気で悩む人はいまだ多く、心療内科に通う人は増加の一途をたどっています。

まだまだ医学が完全ではない証拠なんて日常的に多々散見されていますよね。

ここで誤解の無い様にしたいのが、医療は科学でないとしても、科学でわかっていることを無視して医療を行っても良いという訳ではないということです。

あくまでも、医療は科学的根拠に則って行われるべきと思います。

科学でわかっている事とは先人達が積み上げてきた知識であり智恵であるため、無視するわけにはいきません。

科学的根拠に則って医療を行いながらも、完全ではない科学の医療に対してつねに再評価をして、おこなった治療がその患者さんに本当に効果があったのか、どのような反応になったのか、をチェックして、必要であれば治療計画を修正しなけらばいけません。

ですから、我々医療人は何が科学でわかっていて、何がわかっていないのかをしっかりと学んでいないといけません。

そして、新しい知見を慎重に吟味しながら、常に知識や技術をアップデートし続けなければいけません。

科学を大切にしながらも科学を盲信しないということが肝腎だと思います。

やっと更新できました

昨年度末にHPの更新システムがリニューアルされ、更新の仕方がわからず、ずーーーっと放置していました。

それに見かねてHP会社の方がマンツーマンで指導して頂き何とか更新するに至りました!(パチパチパチ(*^^)v)

さて、気づいたもう8月、今年もすでに半年以上が過ぎ、いろーーんなことがありました。そして、いろーんな試みもしてきました。めんどくさがりな、もとい、過去にはこだわらず、今に生き未来を創造するのが好きな性格ですので、かなり簡単に、3枚の写真とともに振り返ってみたいと思います(笑)

院長 小塚義夫

患者さんのお悩み、お話しを最後までしっかりと聞いて
患者さんが本当に望む治療を提供できる歯科医院を目指しております。
名古屋市緑区の歯医者・つゆくさ歯科医院へどうぞ安心して何なりとご相談いただければと思います。

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